「夢の谷ファーム」とは?

新潟県阿賀野市の笹神地区で農薬や化学肥料に頼らない有機栽培に取り組む「夢の谷ファーム」。
新潟の名峰として知られる五頭山麓・陣ヶ峰の谷間に位置する田んぼでお米を育て、えごまやライ麦の生産・加工も手がけています。

過疎化の影響で一時は耕作放棄地が増えた夢の谷でしたが、2000年頃から環境を整備し、少しずつ農地を再生し、
今では蛍やヤマアカガエルをはじめとする多様な生物と人が共存できる美しい里山となっています。


何を育てているの?

山道に広がる約3ヘクタールの田んぼでは、コシヒカリと古代米を育てています。
有名な「菊水酒造」に酒米として有機栽培のコシヒカリを卸し、スイスへの輸出も行っています。
スーパーフードとして話題のえごまはオーダーメード搾油機でえごま油に加工したり、エゴマシードとして販売中。
ライ麦もライ麦粉や玄麦として販売しています。
また、ゴマやナタネ、鶏卵の生産・加工にもチャレンジしています。



どうして有機農業(無農薬栽培)に取り組むの?

農薬や化学肥料などの“くすり”を使用しない農地では、より多くの生き物が生活できます。
そんな場所で育った作物は、食べる人にも育てる人にも、きっとやさしいと思うのです。
“くすりを使わない”というルールを自分たちに設けたのは、美しい大自然へのリスペクトと歩み寄りの想いから。
無農薬栽培と適切な森の管理を通じて、永続的な自然と人の暮らしの関係を築いていきたいと考えています。


どんな組織なの?

「夢の谷ファーム」は家族経営の自営農家ですが、より良い形での経営体制をつくるため2019年に「農事組合法人」となりました。
基本的な労働力は家族ですが、繁忙期は農地を持たない有志のみなさんをはじめ、福祉施設のスタッフ(農福連携)や近隣住民の協力をいただきながら強くて楽しい農業を営んでいます。



これからの夢は?

私たちは「里山は自然界と人間社会の境界線」だと考えています。
夢の谷を中心とする目の届く範囲で多様な動植物と共存できる環境をつくり、それを未来の子どもたちに受け継いでいくのが私たちの使命。
生き物たちと人の営みが関係し合い、循環し、半永久的に続いていける場所にすることをめざしています。
100年後の子孫や夢の谷を見守る仲間たちが、今の想像を超える自然との関わり方で谷を受け継ぎ、楽しく暮らせている風景を思い描いています。